2015年6月20日土曜日

痰が詰まり、とどのつまり

痰がつまると窒息して死ぬ。

 病院の患者でいう痰は、道行くオヤジが「カーッ、ペッ」と道路に吐いているような、ネバネバした唾液ばかりとはかぎらない。呼吸器系にたまる液状の物体のことを広く「痰」と読んでいる。

 唾液が気管や肺に落ちてたまったもの、心不全や腎不全による肺水腫で肺胞から染み出してきたような血液中の水分、はたまた下気道感染で生じた白血球と病原体の死骸など、ひとくちに痰といっても意味はさまざまである。 

いずれにせよ、挿管して人工呼吸管理をしている患者だと、定期的に痰を吸引しなければならない。

気管がちくわだとすると、挿管だとその中にストローを入れたイメージになる。ストローが人工呼吸器につながるわけだ。ちなみに筆者はちくわにきゅうりを挿したものが好物である。

そのままだとストローとちくわの内壁に隙間ができる。これだと空気が漏れて換気がままならないので、カフ(風船)で密着させて空気の漏れを抑えるような仕組みになっている。カフの上が口、下が肺につながる。

口からたれてきた唾液がカフの上に溜まり、気管との隙間をたれて肺の方に落ちていって咳が出たり窒息することもある。カフ上吸引と言って低圧で痰を持続吸引してくれるマシンは以前からあったが、カフの下からも痰を持続吸引してくれるマシン(こういうすぐれものも最近世に出た。開発費も自腹だろうし、バカ売れする商品でもないのに患者さんのためを思って開発された先生方には頭が下がる。  

とカフ周辺の痰を吸引するのはわりと簡単だが、問題は痰が出てこない患者さんだ。気管支の奥深くに詰まっている痰をどう取るか。咳嗽反射で悶絶しようとも、苦しいが声が出せないので殴られたり蹴飛ばされたりしようとも(ふつうは鎮静をかけているのでこうはならないが)、うりゃうりゃうりゃーと吸引チューブを奥までつっこみ、引ける限りの痰を吸引してくる。鬼吸引とわたしは勝手に呼んでいる。ごめんなさいね、痰で死ぬよりマシだろうけどつらいよね…と念じつつ、ひたすら吸引。肺や気管の酸素まで吸引されて酸欠になるので、吸引と酸素投与をサンドイッチにして時間をかけて吸引する。吸引圧で粘膜から出血して血痰が出たり、血まみれになることも稀ではない。ちょうどそのへんで面会の家族が来ると、我々は非道なことをしているように思われて悪しざまに言われる。(というか、うちは田舎の病院なので面会時間外でも関係なしに患者家族が面会に来てしまう) 

ここまでしても痰が引けない、酸素飽和度が上がらないという人には気管支鏡を突っ込んで痰を吸引してくることになる。気管支鏡はそれなりに太いため、届く範囲もしれているので、理学療法士さんに泣きついて肺の奥から痰が出てくるように体位ドレナージをしてもらったり、RTXという怪しいマシンなどを駆使して排痰を試みるが引けないものは引けない。

「気管切開はどうですか」と患者さんの家族に言われたこともあるが、吸痰という作業がいくらか楽にはなるが、気管に穴をあけたからといって、溢れ出てくる痰の量が減るわけでもないので根本的には大した意味は無い。

そもそも痰の原料は体の水分なのだから、体液量を減らしてしまえという理屈もある。補液を絞って利尿をかければたしかに水分は減るので痰は減るが、血圧が下がったり血栓・塞栓が出来たりするので、もはや治療とはいいがたい状態になってくる。そもそも高齢者で心臓がへたって心不全となると、切れるカードもほとんどない。循環器内科に相談しても、「寿命ですよねえ」とつれない返事がかえってくる。

 こうなってくるともうお手上げである。痰で窒息死することが避けられませんよ、という厳しい話を家族にする。 酸素化が悪くなると、家族の希望でNPPVをつけたりする。適応という意味では微妙だが、心不全の治療ということで保険を通す。これで呼吸はいくらか楽になるが、平たく言うと圧力をかけて酸素ガスを肺に押し込む機械なので、痰がどんどん肺に詰まっていく。やがて痰が詰まって換気ができなくなり、天に帰ることになる。

痰が多い高齢者が病院から出されたらどうなるか。研修を受ければ介護士でも吸痰ができるようになったとはいえ、まだレアな存在だし、なかなか受け入れてくれる施設も多くない。そうした施設は当然コストが高く、家族の負担も厳しい。家に連れて帰ったら、24時間の吸痰を覚悟しなければならない。痰が詰まって死んだら異状死で警察を呼ばれるかもしれないなど悩みは尽きない。まあ警察がらみは在宅診療の先生がうまいこと処理してくれることが多いので、あまり心配しなくてよいのだが、気苦労としてはたいへんわかる。

退院した後を見越してやむなく早めに枯らしたいと思ったら、入院中に、①水分制限を医者に頼んで循環不全を期待、②NPPV装着で痰づまりによる窒息を促す、といった展開があるのかもしれない。 

1 件のコメント:

  1. 病院の治療に見せかけた殺人行為、入院したら最後の伊賀市の岡波総合病院
    最初にお年寄りというだけで全部一緒にしてすぐに緊急時の延命治療の話である。
    おかしいなと思ったがインフルエンザは治ってしまったし、CTの影は
    上のほうは全く綺麗なものだったのにだから全く延命なんて段階じゃなかったし、
    まだまだ普通のものも食べられてたし、歩くこともできていたのに。
    ちょっと影がありますね、肺炎だということで入院だと。
    当分絶食、点滴ということになりました。
    部屋にいるといきなり痰を取りますと痰を取らないと窒息の危険があると
    管をどんどん突っ込む拷問。それによりまず口封じ。悪くなる種作り。
    後は徐々に専門的な医療的拷問で痛めつけられて弱らせていく。
    もう手遅れ!葬られるまでの計画が始められてしまった。
    アッと気づいた時には管を目いっぱい突っ込んでる。肺や声帯が
    どれだけ傷つけられてるかもわからない。
    その後はどんどんどんどん痰がたまってくる。
    そのたびに痰取りの拷問。患者が何か言えば痰取りの拷問、何か
    要求すれば拷問で声を出せなくされ、伝わらないようされてる。
    喉から入れる管が入れすぎていないかなどと言うと、鼻から入れてさらに苦しめる。
    絶食点滴で寝たきりにして脚を弱らせ、絶食やぺーストやと食べる楽しみも奪って
    面会も遮断させてどんどんどんどん孤立させる。
    (とろみであまり好かないお茶ではあるがあまりに痰取り方法が酷いので)痰を
    お茶で(胃のほうに)流し込みたいと言った時も、看護師に完全に否定され
    また管をつっこんで痰取りの拷問、どうしようもない。
    車いすを持ってくるごとに隣の人に迷惑かけてるかのように
    ベッド動かしますすみませんと無駄にベッドを動かす。
    ちょっとくらいなら手を引いて歩けるのにわざわざ大そうに持ち上げようとする。
    お年寄りの血管は細く入りにくいからともっともらしく何度も何度も針を
    入れ直し、更には何度もとれてなかったり検査室から固まってたと
    取り直しさせられて更に針で拷問、動脈からもたくさん抜いて。
    無理に抜くだけのそれだけの検査の必要あるのか。
    会話は全部筒抜けでそのたび、もっともらしく医療としての名目で拷問がやってくる。
    寒いと寒くし熱いと熱くしていく。何もかも反対反対を行く。
    そして「かなんねー」「つらいねー」「いややねー」「苦しいねー」などと
    しなければならない検査ならちゃんとすればいいのに
    そういう言葉で落とし込んでいく。
    おかしなところを指摘して改善されたかのように見えても
    意識はしっかりしてちゃんと伝えられると言っても
    次から次と新しい看護師が来てまた同じことを繰り返す。
    きちんと伝えられないように色々な手立てを企ててくる。
    こっちはいつもいつも見てられないから、いない間に
    また拷問に遭っていたのだろう。
    点滴が取れたりして回復して、動き出すとまた点滴,絶食に戻って動けないように。
    こっちは治療と信じて辛い検査もしなければならないのかと見ているのに
    こうすれば簡単なのにと思ってもマニュアルで決められているのかと
    大目に見ていたが拷問なだけだったか。あれ食べたいもこれ食べたいも
    食事がなくなってショックな時もいつも食べさせられないと看護師がきつく言う。
    亡くなる前は儲け放題の検査-検査で更に手足や喉あたりが傷だらけにされて。
    指の血管は薄くてわかりにくいのに、血中酸素濃度が低いと酸素吸入をつけられ、
    喉が熱い熱いと言うのに水は与えてはいけませんと看護師はきつく言う。
    酸素3ℓ(リットル)だったのが次の日には8ℓ(リットル)に変えられてて
    顔がほてってる。さんざん要求して、濡らしたガーゼで湿らせるだけならと。
    これも亡くなった後処理を簡単にするだけだったか。
    ジェスチャーであれこれ伝えようとして、欲しいものも全部禁止される。
    どれだけ悲しく寂しかったことでしょう。
    アホなことをした。バカなことをされた、悔しくて仕方がない。
    こっちは治療と思うから病院を信じ医者や看護師の言うことを信じて
    色々次から次、伺いを立ててきたのに禁止ばかりされてそれがただの
    拷問だったとは。まだまだ考えられるあらゆる治療とされてきたことが
    全部病院の策略だったななんて。治るように治療してもらえるはずの
    専門の技術を持った病院じゃないのか。
    結果、元気でまだまだ生きる気力のある人をちゃんと手を尽くしたのではなく
    故意にさんざん傷つけ弱らせ弱らせ亡くなるようにされたら、
    適切な看護を受けられてたらもっと長生き出来てたのに、急変のように
    亡くなったことを失敗と思わないならどう考えても間違っているだろう。
    病院が戦略的にそんなことをしていていいはずがない。
    どこまで人を馬鹿にしているんだ、遺体も悔しくて死亡確認
    (後で考えるともともと目が悪かったので光彩で見ても‥)された後に
    ドライアイスで冷やされて全身が冷たくなってもまだふわふわ動いてる。
    体は動かせなくされても意識は働いているようである。
    魂が残ったまま焼かれてしまう。
    そのくらい生命力があるのに意に反して葬られる。
    こんな悪い病院は処罰されなければならない。
    だが数年後には別の場所に移動してさもなかったのように続けていく。
    こんな病院続けさせるわけにはいかない。
    市役所から介護認定の人が来て、今の季節は?と言う。
    4月であっても暑い日で夏に頷いたのかもしれないのに
    一度夏と答えたから春には返事をしないと(意識が)わからないにされている。
    そして先生に聞いてくるとそそくさに行ってしまう。
    次々次々どんどんどんどん内容も考えさせずに処理ばかり
    書類ばかりを進めてしまう。手続きは完璧とばかりに。
    苦しくて苦しくてたまらない。悔しくて悔しくてたまらない。
    腹立たしい、ただで済むと思うなよ、そんな気分がメラメラモヤモヤ
    (見えない所だと)傷だらけにして、欲しいというものも禁じてばかりしてしまって
    病気の納得もいかずに逝かせられてしまったのでは亡くなった悲しみも
    看護師さんに感謝も沸いて来ないで悔しさばかり。
    普段から健康に気を付けてストレッチや散歩、体操等していたし、
    食べ物にも気を使ってどんなものが食べやすいとか食べにくいとか聞いていたし
    いっつも120歳まで生きて新聞に載ろうねと話していたのに
    色々と考えて精いっぱい生きよう生きようと工夫してやってることも禁止禁止と
    全部無駄にされて、簡単にお年寄りというだけでみんな同じだと葬られて
    家にいたら心配しなくてもいいことが病院での治療は不安だらけにされてた。
    年寄りは労わらなければならないのに逆に痛めつける医療的にする無駄な拷問。
    こっちが手を尽くそう手を尽くそうとするのを看護師たちは全部妨害して。
    (この世が嫌になるように?感謝して旅立つのじゃなくて・・・)
    焼かれた後の骨は白くてすごく丈夫、健康だったことを表しているのに。
    遺体は重かった、痰だと言っているのが恐らく傷つけられた肺から
    水分(粘液)が滲みだして溜まってきたのだろう、そして酸素で乾燥しながら
    肺の動きを止めてしまったのでは、だから点滴も回っていなかったと思う。
    看護師たちは言うかもしれない。いくら禁止しても食べ物や飲み物を与え
    なかったから保護者が悪いのだと。大事な人なら与えるはずなどと。
    そう思わせて患者に裏切ったように見せて余計に寂しがらせる、責任転嫁。
    でも最初から傷付けてあとは遅かれ早かれの秒読み。
    日本の病院、医師、看護師がこんなことしていていいわけがない。
    本当に考えなければいけない、悲しみがいっぱい。
    CSセットを頼まずに口腔用のウエットティッシュやブラシ、
    交換したものを入れるためにフタのついたごみ箱二つ買い揃えるように
    言われたことも、ティッシュを借りていたようになっていたのですぐに新しい
    もので返したのだけど、返してくださいと言う文字の書いたティッシュが
    いつまでも残っていたので看護師が悪く触れ回っていたかもしれない。
    いない間に何をされていたか、あーもうっ
    そういえば最初のほうで、暴れて点滴を引きちぎるようなことがあったら
    退院させられると言っていたが、あれは患者が悪いことをして追い出される
    ということでははなく、病院の不正に気付いて暴れたら退去させられると
    いうことだったか、気付いてあげられなかったな。後はだんだん足の甲の
    ほうにばかり刺されて、最後は動脈からも抜かれて、痛かっただろうに。
    息が詰まってはいけないと当たり前のように言われる吸痰ですが、私の親が高齢にもかかわらずもんどりうっていました。入院前は取ってもらったこともないのに急に奥まで突き刺すように入れられて。何か間違っていませんか?

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