2016年10月1日土曜日

石鹸の点滴

横浜の病院で、点滴に逆性石鹸が混入されて患者が亡くなった、というニュースが連日流れている。私はテレビは見る暇がないので、もっぱらネットだが。

逆性石鹸って何よ、って話はこちらを見ていただこう。



「タンパク質を変性させる作用がある」ので細菌のみならず、人体にも有害なわけだ。

あまりに生々しく殺人の手口を報道しているので、最近は「界面活性剤」云々というふうにトーンが変わっていたが、先日は商品名がそのものずばり出てしまった。


ヂアミトール

有効成分 : ベンザルコニウム塩化物
ちなみに、日本で市販されている逆性石鹸のラインナップがこれ。軽くググると出てくる。

報道されている病院は、寝たきり老人がほとんどのようだから、手術なんかする施設じゃないだろう。だから、病棟にあったというのは日常的な手洗い用の濃度なのでしょう。

手洗い用だと0.05%とか0.1%の濃度になる。ちょうどいい濃度の製品だと、手押しポンプが付いていてぷしゅぷしゅ出して使うのだが、それはそれで結構お値段が張るんだそうだ。自分がバイトしたことのある老人病院だと、看護助手さんがせっせと50%溶液を薄めて入れ物に小分けしていたのを思い出す。コストを切り詰めないと経営が回らないんだなあ、と思ったものだ。

犯人ならば、濃度が高いほど殺傷力が高まるんじゃないか、ぐらいのことは誰でも考えるので、もしかしたら、50%原液を点滴に混ぜられてしまったんじゃないだろうか。

メーカーの発表だと、マウスだと静注でのLD50が10mg/kgだという。

ウィキペデイアより「半数致死量(はんすうちしりょう、median lethal dose)とは、物質の急性毒性の指標、致死量の一種としてしばしば使われる数値で、投与した動物の半数が死亡する用量をいう。"Lethal Dose, 50%"を略してLD50と書く」



種差などがあるので、そのまま人間に当てはめるのは科学的ではないが、仮にこの数字を使うとして、寝たきり高齢者で体重40kgだとして、400mgがLD50。

アメリカなんかでの薬物による死刑では致死量の10倍ぐらいを投与するそうだから、犯人ならば、10倍として4000mgは入れるだろう。50%液だから成分量が500mg/ml。ってことはボトルから10mlぐらいをシリンジで吸って、そのまま点滴に混ぜておいたのかもしれない。

お値段が1.56円/mlというから、10ml使っても20円しないんだな。

いわゆるニンニク注射ですら匂いを感じるわけで、こんな臭い消毒薬を点滴されたなら、あの強烈な病院臭に苦しみながら亡くなっていったのだろう。

ちなみに50%液の使い方はこんな感じ。薄めないで人に投与する、しかも点滴に混ぜるだなんて常軌を逸しているとしか思われない。
効能・効果用法・用量本品希釈倍数
手指・皮膚の消毒通常石けんで十分に洗浄し、水で石けん分を十分に洗い落とした後、ベンザルコニウム塩化物0.05〜0.1%溶液に浸して洗い、滅菌ガーゼあるいは布片で清拭する。術前の手洗の場合には、5〜10分間ブラッシングする。500〜1000倍
手術部位
(手術野)の皮膚の消毒
手術前局所皮膚面をベンザルコニウム塩化物0.1%溶液で約5分間洗い、その後ベンザルコニウム塩化物0.2%溶液を塗布する。0.1%:500倍
0.2%:250倍
手術部位
(手術野)の粘膜の消毒、皮膚・粘膜の創傷部位の消毒
ベンザルコニウム塩化物0.01〜0.025%溶液を用いる。2000〜5000倍
感染皮膚面の消毒ベンザルコニウム塩化物0.01%溶液を用いる。5000倍
医療機器の消毒ベンザルコニウム塩化物0.1%溶液に10分間浸漬するか、または厳密に消毒する際は、器具を予め2%炭酸ナトリウム水溶液で洗い、その後ベンザルコニウム塩化物0.1%溶液中で15分間煮沸する。500倍
手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒ベンザルコニウム塩化物0.05〜0.2%溶液を布片で塗布・清拭するか、または噴霧する。250〜1000倍
腟洗浄ベンザルコニウム塩化物0.02〜0.05%溶液を用いる。1000〜2500倍
結膜嚢の洗浄・消毒ベンザルコニウム塩化物0.01〜0.05%溶液を用いる。1000〜5000倍





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